(※当デモは2016年11月19日にも行なわれましたが、写真は2015年当時のものです)
マレーは今日も平和です。
ただ、マレーシアにもデモがあります。
あまり外国の政治に口を出すつもりはないけれども
マレーシア政府、首相の汚職や不透明なお金の流れがマレーシアでかなり目立っています。
首相の不透明な着服金とみられる額は、60億を超えるそうで、仕事をしていない夫人のお金の使い方がどう見ても首相の給料じゃできない贅沢っぷりな点などから、国民の疑惑は確信に変わっています。
また、選挙中に謎の停電があり、投票箱が入れ替わっていたという疑惑も多数の投票所で確認され、不正選挙だと国民は怒っているわけです。
このデモは、Bersih(清掃、清廉)という名前の団体&活動で、公正選挙、汚職批判、首相退任をスローガンに掲げています。
毎年大規模なデモが行われ、今年は11月19日に行われました。
参加者は2万人にものぼります。独立広場や都市の各主要地域にテーマカラーである黄色のシャツの団体が現れます。
政府はこのデモを、ブミプトラ(マレー系優遇政策)に嫉妬した中華系とインド系が騒ぎ立てている、イスラムの国としての部外者の恥たる行為と発表していますが
政治腐敗と宗教が関係ない点や、かなりの数のマレー系(本来このデモには関係ないとされている優遇策を取られている人種)の参加も見られることから、政府の発表のデタラメさに皆呆れているとのこと。
また、政府はデモはイスラムの戒律に違反しているから、神に守られている高貴なマレー人は参加しないようにと発表したとのことですが、
マレー系の多くの人は「んな訳あるか!宗教をダシに使うな!」とお怒りのようで、逆効果に終わっています。
ましてはマレー系、イスラム教徒、ブミプトラ政策を推進した当の本人であるマハティール元首相までこのデモに参加してしまっているものですから、なかなか政府の言い訳は苦しいもののようですね。
独立広場の前は、黄色の海。
また、政府支持者のレッドシャツ(黄色のbersihに対抗している赤シャツ集団)との対立がある恐れがあるため毎年最大限警戒するように。とアナウンスは出ていますが。
いざ覗いてみるとなんとも平和なデモです。
上記で説明したことのシリアスさとは打って変わって、みんな政府嫌いな人がとりあえず騒ごうぜという感じの軽いノリで参加しています。
何かスローガンを叫ぶわけでもなく、ブブゼラを吹きながら「うぇーい!」と騒いで踊ったりする人も。
さすがお気楽な南国の人たち。本当に祭りのノリで参加してます。
シリアスなデモのように見えて、掲げているメッセージはなんともお気楽。
「60億円?ケンタッキー何ハコ買えると思っているんだ!」「牛何頭食えると思っているんだ!」というなんともかわいらしいメッセージカードを掲げる青年だってちらほら。
毎年流血騒ぎになるから近づくなと大使館からメッセージがきますが、まあ、そんなことは起きないかな。
今年も衝突も怪我人もなく無事に終わりました。よかったよかった。
ちなみにこのデモ、「ひとつのマレーシア」を掲げる政府が、一般的にはあまり仲の良くない主要3人種(マレー系、中華系、インド系)をはじめて”反政府”という形でひとつにした活動だ!やったね首相!君はスローガンを達成したよ!と皮肉るジョークも。
確かにここでは人種関係なく、全員首相の悪口で盛り上がっているけれども…。
結構会社の同僚や友人などの身近な人も参加しているので、Facebookがお祭り騒ぎになるのも特徴。
ひとデモ起こしてセルフィーとって、楽しんでいるようです。
まあ、何が言いたいかって、今日もマレーシアは平和ですっていうことです。ご安心ください。
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