マレーシア流おしごと術、第二弾。
(前半はこちら。労働環境や主観たっぷりの職場観察についてです)
後半は、海外に働くにあたっての面白いと思った違い、理解するべきだと思った点を紹介します^^
まず、マレーシアに限らず、海外では阿吽の呼吸は通じないので1から10まで言わなければこちらのせいになります。ちょっと何かが抜けると全く違うものが出てきますし、たとえどう間違おうが謝るなんてありえません。まあ、気にするなって。と言われます。どっちのセリフじゃ!
(まあ、これはこれでいいと思うけれども。)
また、言われたことを間違えてしまったら結構露骨に苦笑いされます。要はお互い様ですね。なので1回目は指示する人がだいぶやっちゃいます。教えるというより向こうがやってしまします。なので実際にやるのは2度目以降が多いのも面白いところです。
あとは、時間にはルーズです。日系で相当まともな方のうちでも、基本会議は設定時間+15分くらいです。マレーシア企業だったらもっと遅いです。たとえ相手が顧客でも。
それで怒ってはいけません。温暖で時間ののんびり流れる空間、公共交通機関も時間通りにこないこの国では、30分くらいは誤差の範疇です。
そして何よりすごいのが、デバイスフル活用!whatsappというLINEの海外版があるのですが、これで仕事が全部済みます!
重要情報も会議のセットアップも全部whatsapp!メールより返信が早く、日本ではそんな内容これで送るな!と怒られそうな内容(金銭やら機密情報やら)もこれできます。
伝わればいい。の観点なので、慣れると効率的でいい感じです。
ただし外から見たら遊んでるのか仕事してるのかわからないので、来たばっかの駐在員からは携帯やりすぎだと指摘されることも。笑
そしてここがマレーシア流、そんな状況に便乗して友達ともwhatsappをついでに。そしてついでにFacebookとinstagramでちょっと遊んで、仕事に戻ります。むしろちょっとこっちの方が長いかな。私も染まってきているのは内緒です。
そんなお気楽でヘルシーな労働環境の中でも、絶対に気をつけなければいけないことがひとつ。
それは、人前で絶対に怒ってはいけないこと。大きな声なんてもってのほか。
マレーシア人は、人種関係なく、怒りは低学歴&自己中、または(嫌な意味で)世代の違う別世界の老人の代名詞。たとえ相手が悪くてもそれは一緒です。
ましてや上司がみんなの前で部下を怒鳴りつけるなんてやったものなら、怒られた人はもちろん、見ていた人も今後は言うことを聞かなくなり、冷ややかな目で見られます。
一度取引先の日系の工場にマレーシア人と視察に行った際、日本人の社長が叱咤激励として大きな声で工場に喝を入れていた時、
その場にいたマレーシア人は全員。ああ。この社長馬鹿で使えないんだ。客の前で怒るなんてこの会社どうにかしてるわ。とかなり冷ややかに嫌遠していました。
逆に部下が上司に怒り全開で刃向かうと、超トップダウンなので大事件になります。もうこいつダメだの扱いに格下げです。
刃向かいたいときは笑顔でyesと言って向こうが諦めるまで断固変えないのが正解だそうな。興味深い。
相手のパーソナリティーに踏み込まないのがマレーシア人。
たとえ相手が悪くても、怒るのはカッコ悪いの証!
なので、マレーシア人が部下に注意したい時は、別室で怒ることなく淡々とここが嫌いだとズバズバ言います。たまに笑いながら言う人もいますが、ヘラヘラしているのではなく、結構リスペクトだったりします。笑顔でものすっごいきついこと言う人も結構います。ただ頭の後ろくらいからおびただしい殺気が出ているので結構怖いですよ。笑
また、マネージャーとして働くと、そんなお気楽な子たちのおこぼれを全て拾って導かなければ(しかも怒れない)ので、相当きつそうです。
この国は超トップダウンなだけあり、みーんな鶴の一声で動く代わりに、トップの負担が尋常じゃない!
超詳細な指示出し&責任取りはもちろん、休みの人の代理も単純作業の見直しも何かの例を見せてあげるのも、もさらにはそれをまとめて完成系を作るのもボスのお仕事。一緒にご飯に行けばおごるまたは多く出す運命ももれなく一緒です。
なのでマネージャーはもれなくデキる人ばっかりです。
力を持った代償は大きそうですね。なので実力があってもヒラがいいなんて人もちょこちょこいるのものんびりしたマレーシアならではな気がします。
人に染まりやすいながら、自分のテリトリーはしっかり持っているマレーシア人。
一緒に働いてみると、結構楽しいですよ。
注)ただしヒラに限る。
PS.数年でコロコロ変えるのが普通のマレーシアでは、職場に忠誠心というものがあまりありません。なので結構みんな副業をやってたりします。マレーシアの副業事情についてはこちらでお話します。
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