わらじは何足あってもいいさ-マレーシア人の副業事情-

 

 

正社員だからといって、仕事は一つだけ?

これは、こっちに来てからもろくも簡単に崩された私の”あたりまえ”のひとつ。

 

今回はマレーシア人の副業のお話です。

 

 

マレーシア人は、結構みんな副業をしています。

転職も数年単位でするのはあたりまえ、昇給なんて期待できない(これは大いに賛成)マレーシアの給与形態では、転職が一番の昇給になったりも。昇給のために頑張るより副業のほうがすぐに稼げることも。

そんな環境なので、みんな会社への忠誠心はあまりなく、むしろ収入源は多いほうがいいじゃない?という考えです。

2足のわらじというか、わらじは何足でもいいからとりあえずお金ください。という感じ。。。

 

それはもちろん、フルタイムの仕事が定時で終わるひとが多い&物価上昇に給与相場が追いついていないというのもありますが

他にも、質素に生きるには物価は安いですが、家、車、ファッション、優雅な晩餐や旅行…などなど、贅沢品の高い国で下手したら日本よりも高くつくそれらを満喫したいというプチ上流思想の人たちが増えてきたということもあるかと思います。

 

特に車はすごく高く、公共交通機関が整っていなく車がないと何もできない国にもかかわらず、マレーシア産の(ちょっと壊れやすい)大衆車でも日本と同じくらい。日本車を含め外車は自国の産業を支えるための関税でなんと日本の倍はします。

それでもみんないいものが欲しいと日本車を普通にお買い上げしちゃいます。

20代中盤だと月10−13万くらいのお給料で、そりゃあ副業もするわなあ。という感じです。

 

 

本業に残業も多いうちの会社ですら、半分くらいの子は副業をもっています。

仕事終わり、週末、仕事中(!)でも、皆さん勤勉にお仕事しております。たまに本業そっちのけで真剣に。仕事しろーぅ…。

(ボスが全員会議でいないときに見る光景です)

 

 

副業の中でもよくあるのが、株やFX、投資などのトレーダー系。

結構仕事の合間にちょこちょこ相場を見ている子達がいます。

ほとんどの人があまり稼いではいないけれども、うまくいくとちょっとしたご飯代にはなるそうです。

 

他には、パートタイムドライバー。

超車社会のマレーシアでは、Uber、Grabというタクシーの代わりに個人がアプリを通じてドライバーとなるお小遣い稼ぎがあります。

普通のタクシーよりも車が綺麗。アプリで個人情報や適正価格、運転手のレビューが管理されているので、タクシーよりも親切。安全、騙されないと評判のアプリです。

仕事終わりや週末暇なときにログインして、ちょこっとお小遣いを稼ぐ子もオフィスにちらほら。さすがに就業中はこれは無理かな。

 

それ以外にも、オンラインショップでアクセサリーを売ったり、保険の営業をしたり(マレー人の私のチューターは、同僚とその家族をごっそり自分の契約に持って行きそのままフリーランスとして独立してゆきました…)地元のご当地料理を転売したりと、結構ドライに会社内でも売買が横行します。友達ディスカウントがないところもまたサービスは有料!の文化の匂いがしますね。

 

実は私もちょこっと副業をしていました。日英の翻訳のお仕事を2ヶ月ほど。大した額ではないけど手軽な副業でしたが、本業9時間くらい+副業でPCを見続け、乾燥性結膜炎になってしまい辞めちゃいました。。。

何が言いたいかって、そういう軽い気持ちでフルタイム以外にも働こうかな。という子が多く、そのお小遣いでちょっと美味しいものを食べる感覚です。これは日本ではまだ珍しいかも。。。

 

会社が自分を安定したお給料で雇ってくれ続けるなんて信頼は全くなし。そのせいか会社も福利厚生は薄く、投資や教育もあまりしません。(だから新卒が不利なんですよね。。。)

会社にすがりつくことなく、ただもらえるものはもらっとく。そんなたくましいみなさんです。

 

ドライだけれども個人の自由に寛容な、マレーシアのワーキング・カルチャーなのでした。

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コメント

コメント一覧 (2件)

  • マレーシアは自動車依存社会であることは事実です。多くの若い成人には、典型的に5〜9年続く自動車ローンがあります。

    • そうですね。市内から出てしまえば大抵は車社会ですからね。

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