マレーシア就職をして3年8ヶ月。留学で丸1年いたのでもうあしかけ5年弱ですね。
今日は、マレーシアに就職し、日本人、マレーシア人を含めいろんな人と仕事、私生活を過ごし
ここで数年にわたり日常を過ごすこと。ここで仕事をすることについてのお話です。
海外で暮らすのだから、日本にないような魅力的なところもあれば、不便もある。
それを全部ひっくるめて、それでもやっぱりこの国が好きだなと思う理由と、それでもやっぱりこれはキツイな。と思うことを仕事、プライベートひっくるめて独断と偏見と本音のみで紹介します。
〜仕事編〜
メリット
—他の人とはちょっと違った経歴が持てる
現地にいると忘れがちですが、日本人で、就職をするときに“じゃあどこの国にしようかな”から選ぶ人はまだまだほんの一部の人だけ。
勇気を持って一度来て、ちゃんと自分のやるべきことをちゃんとやっていれば、それだけで特別な能力がなくてもユニークな経歴になります。
また、語学力やバイタリティーなどを求める企業には、海外で数年働いていたというだけであっさりパスできてしまうことも多いです。
—チャンスの幅がほんとうに広い
英語を活かした仕事がしたい!外国の人と働いてみたい!自分の裁量で仕事がしたい!そんな方は是非日本で探すのではく現地採用へ。これらはイヤでもないとやっていけないので確実に身につきます。
また、日系だけでいうとアジアはどこも日本人不足。早いうちからものごとを任されたり、多少の方向転換や冒険も多めに見てもらえます。
中には1年間語学学校にちょこっと行って残りは遊んでいただけ、1年の職歴ブランクありの人でもマレーシアであっさり総合職のお仕事が見つかりました。日本よりもチャンスに溢れていて、日本では不利になるような冒険も許されやすい環境です。
—いろんな人に合わせたワークスタイルが身につく
まず、相手は外国人。マレーシアだけで言えば、そこにさらに細分化された人種がいます。彼らにとっては日本のワークスタイルがよそ者。夕方に新しいことを頼んで今日出てくるなんて思わないでください。ただし日本人の上は今日出てこなかったことに不快感を示します。さあどうしましょう。
そんなことは日常茶飯事なので、どの人にどう言ったアプローチをするか。たとえ自分が下っ端でも、誰にどう接するかを考える機会は多いです。
※ちなみに私の会社は日系の会社は新卒徹底教育でしっかり日本式のワークスタイルが出来上がっているマレーシア人だらけです。これは信じられないくらいレアですが、新卒から調教するという根本からの解決を図っているのがすごい。と、よくも悪くも評判です。
—(自分次第では)業務以外の余計な仕事が少ない
これは本当に自分の意思次第ですが、出張者のお相手や必要以上の付き合いを現地採用に求められることはあまり見かけません。
よくマレーシアでは駐在員の若手の方はゴルフが休日出勤のように入っていますが、現地採用は“経済的な事情”により回避できますし、他の会食もある程度はこの理由で回避できます。
もちろん良い印象は持たれませんが、そもそも本社の人事システムに関わっていなく、ロビー活動がポジティブに動く(昇進など)わけでもないので、気に入られたら本社登用があってそれを狙っています!とかではない限りNoと言えれば問題ないのです。
—日系の場合、決定権が本社の人より比較的早く回ってくる
これは完全に製造業のお話になってしまい、他の業界は確かではありませんが、アジア支店はだいたいオペレーションの末端(製造業で言うと、工場/現場)があるところになります。
そうすると、嫌でも上の人、本社の人の返事を待たずに自力でえいっと決めなければならない末端トラブルが結構早いうちにやってきます。また、マレーシアは人の入れ替わりがかなり早くその穴埋めはいつもバタバタ。あの人辞めちゃうからこれよろしく。と3年目で7年目の先輩の仕事と決定権が降ってきたこともあります(さすがに“保護者”付きでしたが)。これをチャンスとれる人にはいい機会になると思います。
—日本人コミュニティでは、かわいがられやすい
バイタリティーがあると選ばれていらっしゃっている駐在員の方も多いとはいえ、それでもやっぱり日本人は日本人と仕事を進めることを好みます。
なので、自分の担当外のことを日本人だからという理由だけで突然聞かれたり頼まれたりもします。そこをどうやってうまく持って行くかがアドバンテージの鍵ですし、日本人というだけでこのような連絡が来るのは海外ならではですね。
—次の進路は、結構ある!
約4年前、日本からマレーシアに飛び立つと決めた時、たくさんの方からもう日本で次はないだの今後まともな仕事就けないだの脅されました。
ただし、いざ日本でバックアップの転職活動先を探していると、新卒の頃は知る由もなかった海外流の仕事をそのままやっている外資などから連絡がきました。こういった外資は新卒を取らないところも多いので、出てきた時には知らなかった盲点です。
そして、意外と進路はあります。まともな仕事に就けないと言っていた人がどれだけ適当と憶測で脅す無責任な人たちかがよーく解りました。なのでご心配なく。
デメリット
—意思がないと、喰われる!
先ほどメリットにも挙げた、日本人というだけで自分の持ち場以外の連絡が来る。というのは自分の意思が弱いとデメリットになります。
なぜかというと、日本人だからというだけで待遇が違うにも関わらず、結局駐在員の方と同じ仕事量が来たり、休日のゴルフに連れ出されたり、最悪そういったアレンジや手配まで全て押し付けられる可能性があります。
ローカル社員より貰っているでしょうと言って言いくるめようとする人もいますが、自分の持ち場をしっかりと線引きするスキルがないと、簡単に好き勝手つかわれてしまうかもしれません。
—いざという時のバックアップが弱い
国民保険?年金?住民税?そんなものは出ません。いざ何かがあった時に、それらを自分で何とかするプランがないと緊急時に現地採用の立場はとても弱いです。
特に国民保険に入っていないで自分の住む国だけの保険を海外旅行保険でカバーしていて、日本に一時帰国の際病気や怪我にあってしまうともはや悲劇です。また、会社が海外保険をサポートしていない場合、保険なしのリスクはあまりにも大きすぎるので、せめて海外保険は加入しておくことをお勧めします。
—駐在員との格差は無視できますか?
駐在員の方は会社の経費で一時帰国ができたり、それにプラス一時帰国休暇が出たりなどします。また、保険や住宅サポートも手厚く、現地で何かあったら本社がすべて面倒見てくれます。
ただし、現地採用にそんなものはありません。待遇の違いはお給料だけではなく細かいところに響いてきます。
それでも、自分で選んで現地に来たから、または自分のやっていることはこの格差を無視してでも価値のあることだというマインドセットがないと、いつの間にか不平等さに悩みがでてくるかもしれません。
—ジョブローテーションは期待できない
マレーシア人の入れ替わりはとても早いです。毎年昇級を待つよりも転職してしまった方がお給料も上がりますし、転職する人も多いので転職回数がよっぽと多くない限りはあまり懸念材料になりません。
ということは、出て行く人が多い分、一度定着しているポジションの人を動かすリスクを取らないところも多く、同じ担当がずっと続くことに抵抗を示さないマレーシア人も多いです。下手に動かして辞められるリスクを取らないというところもあります。
なので、一度持ち場が落ち着くと、そのまま動けない可能性もあります。
—日本社会に帰れないんじゃない。帰りたくないんだ。
日本に帰れなくなる、まともな仕事に就けなくなるという反対派の人にひとつシェアしたいのが、帰れないんじゃなくて、帰りたくないから帰ってこないんだということです。
上のメリットをしっかり受け取り、デメリットもしっかり回避できれば、やっぱり現地の人よりも上の水準の生活が簡単にでき、住み慣れてしまった土地であえて大変な日本に戻る意味ってあるのかな?という人も多いです。またこちらのアパートは広くて安くてプールがついていたりするので、6畳ワンルームの生活に戻るというのもなぁ。というところです。
若手の駐在員の方でも、こちらの生活に慣れてしまってもう帰りたくないという方もちらほら居ます。おおらかな南国の生活が楽なんです。だから、結果帰れなくなるというのは事実かもしれませんね。
すべてのメリット、デメリットは自分次第でいくらでも広げたり、回避したりできます。
まずは、自分が何をするべきで、何がしたいかをしっかりさせるのが大切になってきます。
ただ、総合で評価すれば、私はメリットの方が断然あると思いますし、上であげたデメリットも最後のひとつ以外はうまく回避できていますし、できている人は周りにも比較的多いです。
仕事以外にもメリット、デメリットはもちろんあります。プライベート編は後日お話ししますね。
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