マレーシアに足かけ5年弱、働いてみて住んでみて発見したメリット・デメリット紹介、後半。
海外で暮らすのだから、日本にないような魅力的なところもあれば、不便もある。
それを全部ひっくるめて、それでもやっぱりこの国が好きだなと思う理由と、それでもやっぱりこれはキツイな。と思うことを仕事、プライベートひっくるめて独断と偏見と本音のみで紹介します。
〜プライベート編〜
メリット
—人種、宗教、国境を超えた友達が世界中にできる
カナダに行こうかな、と思えばカナダに住んでいるチュニジア人に連絡が出来て、カナダが厳しそうだ、じゃあニュージーはどうかな?と思えばNZで育ったスリランカ人と連絡ができる。最後に助けてくれるのは、人脈ではなく友達。そして全てこれらはマレーシアで手に入れました。外国人同士が仲良くなりやすい環境と、アジアじゅうから人が集まるこの国なら、世界中に一瞬で友達ができます。
もちろんマレーシア人も、とってもおおらかで人情深く優しい人が本当に多いです。シャイな人がすごく多いのでこちらに積極性が求められますが、こちらから声をかければ人種を問わずとってもフレンドリーに受け入れてくれます。
—週末でもOK!東南アジアが近い!
マレーシアは、地理的にはもちろんですが、AirAsiaのハブ空港があるため、基本的にはASEAN全ての国と、南アジア、また一部中東、ロンドンまでも1本で、しかも格安で飛ぶことができます。
飛んでいる本数も多いタイ、ベトナム、シンガポール、インドネシアあたりは週末でサクッと旅行に行けちゃいますし、LCCだけあってコストもかなり抑えられます。
私は週末旅行でゆっくりはできなかった国も含めてですが、ASEANの全ての国には踏み入れました。ただもっと旅したかったなぁと思うのはバックパッカー病ということで。。。
—物価が安く、金銭的に余裕が持てる
以前、物価やモノの値段を紹介しましたが、マレーシアの物価はほとんどのものが日本の半分以下!
なので、現地の感覚で暮らしていれば、遊びに行く、旅行に行くのもフットワークが軽くなりますし、働いているのにお金がなくて困っているという状況もあまりありません。
私の場合はおそらく日本で一人暮らしをするよりも格段に早いペースで貯金ができたと思っています。
—マレーシアはメシの国!!
食事、という広いくくりだと、大げさに言わなくてもマレーシアはアジア大陸No.1。アジア人にとっては世界No1群だと思います。
それもこれも、アジアのハブ。アジアだけではなく中東、アフリカの人も多く、アジア大陸にある食事なら現地人の運営するレストランが必ずあります。それもリーズナブルな所が多い!もちろん日本食も、日本人による本格的なものからこれ絶対Youtube見て食材も調べずフィーリングで作ってるなというようなお粗末な日本食っぽいものまで豊富に揃っています。
今日はマレー、明日はタイ、そして次は中華と、アラビアと、インド、中央アジア、ペルシア、日本、韓国と…と、アジアじゅうの料理でローテーションが組めて、基本全部おいしいのがこの国の魅力です。もちろん各国の食材屋さんもあるので、自炊派さんにもぴったりです。
—もう一度言う、マレーシアはメシの国!!
同じメリットが2回?はい!だって食事のメリットはふたつあるんです!
上のアジア大陸じゅうの食事が楽しめる他にも、もちろんローカルご飯が美味くて、バラエティが豊富すぎる!そして何よりいつでもどこでも美味しいものの誘惑が多すぎる!
ママックというインド系ムスリム(料理はマレー料理とインド料理のミックス)のお店は街じゅうにあり、24時間営業。また、これまた街じゅうどこにでもある小さいお店がたくさん並んだ屋外フードコートは、どれを食べるか悩ませるバラエティの多さ。各お店がそれぞれのプロなので、味も最高。他にも、パサル・マラムという日本の夏祭りのような臨時屋台が並んでお気軽に食べ歩きができる屋台が週に数回、何百メートル(2km超えも!)と並んでいたり…と、食事の誘惑が多く、味もいいので本当に豊かな食生活が楽しめます。
デメリット
—交通機関や業者が遅れる、来ないは当たり前
これでもここ数年でかなり改善しました。が、それでもエアコン修理が1時間以上遅れて到着したり、害虫駆除の業者にすっぽかされたり(緊急事態で連絡すらできなかった/担当が休みなのを知らなかったなどの言い訳がテンプレ)はよくあります。さすがにすっぽかしは数回でしたが、30分〜1時間の遅刻は普通です。とったはずの予約が取れてないこともあります。そして予約をとった確認をしないあなたにも問題があると帰されることもあります。
もちろん民間でそんな感じなので、公共交通機関もよく遅れたり、時刻表がまったくアテにならないこともしばしば。遅れるだけならまだしも、早く出るというサプライズもあるので、なかなか難しいところです。
(ただ、LRT/MRT鉄道とモノレールはかなり優秀です。)
—渋滞を筆頭に、時間のロスが多い
上でも業者や交通が遅れるというのもありますが、カバー範囲の狭い電車で行けないところがほとんどのくせに渋滞がとても多く、迂回路すらないので待ち合わせにどう考えても間に合わないことや、珍しく仕事をかなり早く終わらせたのに自然渋滞に2時間引っかかって全部パーになる。なんてこともちらほら。
また、病院で予約を取っているのに2時間待たされたり(忙しかったらしい)、レストランでも料理が延々と出てこなかったり(そもそも忘れていたり)、スーパーのレジも基本かなり遅いです。マレーシアに住むとそう言った時間のロスがかなり多く、そこに目をつぶらなくてはいけないのでご注意ください。
—日本人はセーフ、ただ、人種差別がすごい
こんなおおらかなマレーシアの人々ですが、レイシストが結構多いんです。
日本人は彼らにとっては“差別の上の方”に入るので、基本可愛がってもらえるので人種差別の恩恵を受けていますが、これが南アジアや他のアジアの人に対する扱いがかなりひどい。。。
インド人の友人は警察に見た目だけで止められ職質をされたり(そして何もしていないのになぜか罰金をとられる)、バングラ人の友人バングラ人という理由で人に何かを聞いても無視されたり、と結構可哀想な目に遭っています。ちなみにどちらもマレーシアトップの国立大学卒の、かなりしっかりした人たちでこの扱いです。
また、以前同僚から、”君は日本人なんだから、○○(南アジアの国)人と一緒にいちゃダメだよ!なんであんな人と友達になったりそういうレストランに行けるの?“と大真面目に質問されたことがあり、この闇は深いなと思ったことがあります。
—大気汚染シーズンがある
これもここ数年でだいぶマシにはなりましたが、インドネシアの焼き畑シーズンになると、その煙がマレーシアまでやってきて、ヘイズという大気汚染が半島じゅうを襲います。これは短くて数週間、長くて2−3ヶ月続きます。
白もやで遠くが見えないほど濃い煙霧なこともあり、そのシーズンはマスクをしないと喉を痛めたりと、結構目に見えた被害もあります。私は2日ほど声が出ませんでした。そしてこの焼き畑や野焼きをしているのがインドネシアにあるからとインドネシア政府に交渉しても、原因はそこにある東南アジア各国の会社のせいらしく、さあどうすると言ったところです。
それでもシンガポール主導でインドネシアと結構やりあっているらしく、ここ数年で改善はしてきました。それでも、あるものはあります。
—シングルライフが終わらない
一時ステイの外国人が多いこと、宗教、物価による金銭感覚の差から、今週楽しむクラッシュやかなり仲良くなるブラザーは見つかっても、長期スパンのパートナー探しには向かない場所だと思います。
本気で探してないからだろう。という指摘があれば否定しません。ただし私と私の周りのKL外国人女子は満場一致でこの意見です。。。
仕事のデメリットとは違い、プライベートのデメリットは回避できないものもあるので、自分がどう目の前の環境と向き合うか(特に大気と交通機関はどうにもできないので)にかかってきます。ただし、それでもメリットとデメリットをトータルで考えると私は住んでいてよかった。また住みたいとポジティブな意見になります。
とはいえ、生活のスタイルは人それぞれなので、人によってはまったく違うメリットやデメリットを見出せるのではないでしょうか。
(例えば、文法完全無視のマレーシア英語、これを変な英語とデメリットと見るか、気負わず気さくに話ができるおおらかな英語とメリットと見るかは自分次第です。)
マレーシアを去って3週間、もうKLがすっかり恋しく、(一時的にでも)去るという決断に二言はないですがメリットであげた点はふとした時に思い出してはいい国だったなぁ。としんみり懐かしんでいます。
大気汚染&渋滞まみれ、バスは来なくても、気さくな仲間とまた食べ歩きをしに必ず帰ってきたい場所、それがマレーシアだと思っています。
コメント
コメント一覧 (2件)
はじめまして。現在、大学3年で就職活動を始めているのですが、マレーシアに留学していたこともあり、マレーシアで働きたいなとも考えています。新卒でマレーシアに就職したことや現地採用についてなど、詳しくお聞きしたいです。よろしくお願いします。
亜美さん
コメントありがとうございます!
もちろん大丈夫ですよ!分かる限りで何でもお答えします!