どうしてニュージーランドの人は仕事が早く終わるのだろう。
欧米の1ヶ月バカンスや毎日定時帰宅はなぜできるのだろう?
何か効率ハックがあって、ものすごいスピードで物事を動かすコツがあるんじゃないか?
日本やマレーシアで働いていた時は、そう思っていました。
ニュージーランドにワーホリできて、オフィスで働いてみて…
仕事が早く終わる理由が大きく分けてふたつあることに気付きました。
ひとつ目は、残念ながら文化です。
ニュージーランドでは、時間内で終わる仕事しか割り振られません。その絶対量も少なく普通にしていれば終わらないことはまずありません。
そして、長期休みも定時退社もみんな当たり前にすることなので、特別な理由も必要ないので当たり前にできます。
それでも、なんだ。文化か。と、がっかりするのはまだ早い。
ふたつ目に気づいたことは、”自分や周りの時間をちゃんと尊重する”こと。
自分の時間もちゃんと護り、他人の時間も奪わないように気遣うことで、ポジティブな時間の尊重を獲得することができます。
「これ、なんで今までやらなかったんだろう」と思える時短や効率化も、現地で発見しました。
今日はその文化で片付けない効率術のお話です。
ですが、まず先に、文化で片付いてしまうものを紹介します。
ー基本的に勤務時間はフレックス、ランチタイムも自由。定時で帰るのが当たり前なので定時を超える仕事がそもそも期待されていない。 ―人手不足にさせない。欠員や長期休暇の人の穴は誰かしら増やして埋める。埋められなければ休業する。 ―短期契約だからどうこういう人もいないので、単発OKな人も多く、人が集まり、離れ、循環する ―夏休みなどの数週間の担当者不在だと、緊急案件以外はお客さんが待つこともある ―お客さんも休暇は取るので理解があり苦情もこない=重要なとこだけフォローすればいい、と代打の負担も少ない ー個人の裁量が大きいので、現場判断で勝手に動いてもやらかさなければ大丈夫 ―間に合わないと、納期が延びる。もう一度言います。納期、延びます。 ―朝礼、終礼、定例会議はなくてもいい。関係ない会議に呼ばれない。 ―興味本位で用途の分からない資料を作らせる上司がいない ―Job Descriptionという仕事の役割分担表がしっかり雇用前に渡されるので、それ以外の仕事が降ってこない
ほとんど文化で片付いてしまうところですが、せめて日本でも使える汎用性のある効率術はないかと観察すると、ちゃんとありました。
結論から言うと「目をつけられない程度にいい人をやめる」ことです。
その詳細や、具体的に何をするかを紹介します。
声をかけられたら、反応できる時間を即答する
何かの作業中に、突然誰かやってきての質問、依頼…
自分の作業を強制中断され集中力も下がったり、タイミングが良くない時もあったり。
アレを防ぐために、呼ばれて、これを知りたいと言われた時に、間髪入れずに
“もちろん。そしたら、〇〇分後でいいですか?”と言うと、
少なくとも、何回かは自分の都合のいい時間に持ってゆくことができます。
現地オフィスでこの返答をする人や状況を何度も見ましたが、笑顔でものすごい即答でこれがくると、
嫌な感じや、後回しにされている感じ、またはいけないタイミングだったかな?と気にするような感覚は全く起きませんでした。
相手が本題を話す前に即座に答えるのがポイント。笑顔で、秒速で
「いいけど、今忙しいから○○時からでいい?」よりも、「もちろん!午後にまたここに来てください!」の方が、伝えたいことは一緒なのに全く与える印象が違います。
大勢いる会議で質問を聞かれたら“後でまとめて相談or報告”に持っていく
違う担当がいる規模の会議で、自分の守備範囲外の話題に付き合わされる時間のロスや周りの時間のロスも防いであげる日常的に使われる会話がこちら。
大勢の前で、自分の仕事の話題を振られ、多くの関係ない人がいる時、
「その話題をまとめたものがあるので、この会議が終わったら個人的に報告しますね!」という返答を多く見てきました。
さらに、会議の終わり側に「先ほどいった報告に関係がありそうな、○○、××、△△さん、5分残ってもらえますか?」と言い、関係のない人を帰します。
会議で関係のない話が増えると、全体の集中力が下がり関係のある話までも集中できないリスクや
時間をオーバーしてしまうリスク(現地では時間内に終わらない会議はひんしゅくを買います)を避け、関係のない人は徹底的に巻き込みません
この発言で多くの人に自分をアピールできるかも、と言う思考は捨てましょう。
残念ながら基本誰も聞いてないので。
また、自分が進行の場合は、思い切って「その話題は、時間もあるので会議後に個人的にしてもらってもいいですか?」と言うのも◎です。
新しいことはとりあえずちょこっとだけ手を出してみる
「ニュージーランドは小さいから、物資も人材も手に入れにくい、
逆に失敗しても影響も小さいから、手元にあるものを好き勝手いろんな用途で使ってどんどん実験する傾向が国全体であるんだ。ビジネスも同じ。常に前しか見てない」
これは以前、以前お会いしたマネージャーが言っていたニュージーランドのビジネスの傾向。
新しいものを痛手がない程度にほんのちょこっとずつ、
数撃って当てることが、逆に後でスムーズに動くこともあるとのことです。
もはやうまくいった確率とか分からないくらい実験している。と言っていました。
うまくいったら即採用。そうじゃなくても痛手は無し。
新しいソフトやデータフォーマット、秒速で試します。
会社で使えるものは、とりあえずみんな使ってみます。使ってもいいですか?という事もなく、データのバックアップを自分でとってそれを使って遊んでいる人が本当に多い…
それで効率化できればラッキー、必要ならチームにもシェアしよう。
ただ、あとは個人の実験で、別に誰も巻き込まず使えるものは使ってみよう。
そんな、“影響が小さい範囲”がポイントのようです。
メールのCCは必要ない
以前日系で働いていた時は、関係する人とその上司は全員CCに入れて、
部署全部もCCに入れて、なるべく多くの人に1通で伝わるよう…と教わっていましたが
あれ、実際誰も読まないんですよね。
日系勤務時代、業務連絡に宛先ひとりだけだと「1人しか見れないの、大丈夫かな?」と余計な心配をしていましたが、いま考えたら本当に余計でした。
それでも全然ものごとは進みます。むしろ、受取人が自分しかいないという直接さが重要です。
ニュージーランドでは、あまりにも宛先が多かったり、誰に当てているのかはっきりとしないメールの返答はまずきません。
また、関係ないなと思ったら「関係ないメールなので、受け取りたくないです。CC外してください」とズバッと返答が来ることもあります。
中には、CCをサブフォルダに振り分け、そのサブフォルダは週1しかみない、または全く見ないという強者もいます。
慣れてくると、あのCCがどれだけ自分と周りの時間を奪っていたかに気付きました。
関係ない人は巻き込まない。また、関係ない毎日来るCCにも、「用がある日のメールを個人送信する感じにかえてもらってもいいですか?」と聞ける勇気が大事かもしれません。
やらなくても大丈夫そうな作業は、一度あえてやらない。
本当に必要なら相手から催促がきます。
催促がきたら失格。みたいに言う人もいますが、
そんなに必要のないものだったら、無理する必要なしです。
こちらで、特に新参者は1回目の連絡で返信はまず来ないです。
(日系はものすごいスピードで来たので、さすがだなぁ。と)
催促をして、“返信遅れてごめんなさい”と返ってきて、
それからやっと普通のペースで返信やレポートが来たりします。
本当に必要なら催促されるので、内容がそんなに重要じゃなければ捨ててみる試しはアリです。
意外と余計な作業があったことに気づきます。
退職した後に、その職場の人と会うかと言われると全く会わないものです。
便利屋に徹底して忘れられるくらいなら、便利屋じゃないまま忘れられたほうがマシだということです。
ニュージーランドのオフィスで言われた意外な一言
雨の中、靴がびしょ濡れになったのに出社した日
「こんな状況でなんで仕事来たのw靴びしょびしょじゃない!これで働けるの?偉いねぇ…」と豪快に笑い飛ばされたり、
忙しそうにしているマネージャーに”仕事を探しています”の相談のリマインドを「悪いなぁ」と思ってちょっと後回しにしていた時、
「忘れてたよ!早く言ってよ!もっと図々しく生きてよ!!」と注意されていました。
こんな注意、今まで受けたことなかったのでちょっと笑っちゃいましたが。
どうせ仕事が終われば会わないんだからもっと権利主張しなきゃダメよ。と、いつも念を押されています。
その通りなんですけどね。
仕事というドライな場所では、相手にNoという選択肢を与えているうちは、多少図々しくてもなんでも聞いてみればいいし、
相手が何かを必要としていても、自分のペースに持っていっていい。
なんだ、こんな感じでいいのか。
ちょっとずつ“いい子仮面”を外してゆくのはなかなか爽快です。
私生活の問題を仕事に持ち込むのが公私混同ならば
私生活の気遣いを仕事に持ち込むことも、立派な公私混同なのかもしれませんね。
コメント
コメント一覧 (2件)
こんにちは
はじめまして
gypsyworkerさんは、なぜワーホリビザをとらないんですか?
現在ワーホリビザですよ!
数年過ごしたかったので、伸ばそうと企んでいるだけです(*´-`)