第7章 旅の仲間づくり:旅仲間の作り方、ホステルの旅人コミュニティーの入り方
ひとり旅をしている時、ほとんどひとりで旅していない。
バックパッカーに、こんなこと言う人がよくいます。私もそのひとりです。
ひとり旅と聞くと、ずっと1人でご飯を食べて移動して…寂しくないの?と思うかもしれません。
実はひとり旅のほうがひとりでいる時間がほとんどないんです。
旅先で会った人と過ごす時間の方が長かったりします。
今回は、ひとり旅や少人数の旅をよりカラフルにする、旅仲間の作り方のお話をします。
ドミやロビーで話しかけてみる
共通キッチンやドミなど、人と誰かをシェアするものがある宿で旅仲間を作るのはとても簡単で一般的です。
共同スペースにいる人は、基本的に誰でも話しかけてOKです。
それがホステルの”一般的”な振る舞いです。
そして、ホステルに泊まる人の多くがひとり旅や少人数なことが多いので、
だいたい相手も話しかけてもらえると嬉しいものです。
お互い未知の土地、旅をするだけ興味が外に向いてる人同士なのでみなさんとてもフレンドリーです。
ロビーのソファに座る時、隣にいる人に挨拶してみましょう。バックパッカーとの会話は声をかけてしまえば意外とどんどん進みます。
ここの街には何を見にきたの?
今日はどこ行ったの?
明日この場所行ってみようと思うんだけど、行ったことある?どうだった?
ここの近くで美味しかったお店はどこかある?
話す前からこんなに共通の話題が確実にある初対面の人もなかなかいないですよね。
この場所行って見たいんだよね。という系の話題になると、
”明日行くつもりなんだけど、一緒にくる?”と会って30分で明日の旅のお供ができることもよくあります。
交通費がシェアできる、1人で行くのは不安、話し相手や写真を取り合える人がいた方がいい、現地情報を交換したいetc…。お互いにメリットが明確かつ平等なので、ホステルで話しかけたその一言をきっかけに、2−3日一緒に旅してました。なんてこともよくあります。
ホステルの”集会”に参加してみる
この方法が一番おすすめです。
バックパッカーのホステルで、夜になると共同キッチンやリビングで集まって飲んでるグループ、よく見かけますよね。
実はあの集会、ほぼ全て”そのキッチンで知り合った人たちがたまたま集まってる”だけなんです。
一般的にあのグループは一緒に旅行しているのではなくその場で会っています。
連泊している人も多いので、もともと知り合いなのかなという印象も受けますがほとんどの人はその日や前日に知り合ったばかりの人たちです。
あのグループは寂しがりやの人懐っこい旅人が一緒に飲みたい話したいと集まっている状態がデフォルトです。
一見とっつきにくそうなあの集会ですが、参加方法はとっても簡単。
近所で買ったお酒やジュース、お菓子を持って行って
”Can I join you?(参加してもいい?)”と聞けばもうそのグループの一員です。
ほぼ確実にみんなあたたかく受け入れてくれます。
たまに私はワインを2本どーんとテーブルに置いて、”初めまして!ねぇ、これシェアしよう、勝手に飲んでね”と言う時があります。そうすると最初のぎこちない雰囲気づくりのプロセスをすべてすっ飛ばして全員大喜びで同じテーブルの食べ物飲み物をシェアできるので、あの集会に不慣れだった旅を始めたばかりの時はもちろん、旅慣れた今でもたまに使っています。
そして、名前は?出身地は?どのくらいここにいるの?など、上で紹介した共通の話題から始まり、集会のだれかの旅の面白かった話や世界の文化や政治など、話はどんどん広がってゆきます。
あの集会は、大人数と一気に旅の情報交換やご飯のシェア、その場で行きたい場所が一緒の人を集めて翌日に一緒に旅するグループとなります。
さまざまな英語のレベルと出身地、文化の違いが入りみだっていて、さらに会って日が浅い人たちが繰り広げられる会話はその土地を旅する、または世界中のだれでも知ってる話題であることが多く、本当に話しやすいんです。
世界情勢や文化の勉強にも最適です。
旅慣れてなくても、英語に自信がなくてもいいんです。
あの集会にいる全員が旅の経験値はゼロからスタートしているのでとても寛容です。
英語や旅の経験値を上げる練習だと思って、思い切って参加してみましょう。
英語のレベルも合わせてくれるし、そもそも語学力や経験値なんか気にしていません。
実は旅も英語もやり始めたばっかりでどうしたらいいかわからないんだよね。なんて話題を逆に持ち出してみるのも経験上とても効果的でした。
待っていたかのようにいろいろ教えてくれる人の多さには拍子抜けしてしまうものです。
参加も抜けるタイミングも個人の自由なので、まずは試してみることをお勧めします。私はこの集会であった人と主に一緒に旅しているので、”ひとりじゃないひとり旅”の時間がほとんどという理由はほぼここにあります。
私はあの集会が世界で一番友達の作りやすい場所だと本気で思っています。
旅人が集まるバーに行ってみる
世界中、どこでもフレンドリーな旅人は経験をシェアしたいものです。
国によっては、ドミトリーが一般的でない国などもあります。それでも旅人たちはめげません。
ドミがないなら、バーに行けばいいじゃない。旅人理論はここでも発揮されます。
ホステルで集会ができないような国や地域には、メジャーな場所であればだいたい”旅人が集まるお店”があり、先ほど紹介した集会に非常に近いことが繰り広げられます。
ドミやホステルが一般的な場所だとしてもこのような場所は意外とあるものです。
その多くが、バーというより街の安い酒場です。
また、これらはお酒の手に入りづらい中東でもあります。
旅人たちは同じことをシラフ&紅茶でマジでやってのけます。
(私はヨルダン、イラン、トルコで紅茶とシーシャ、オレンジジュースなどで同じことをするこの集会に参加しました。やっていることはお酒がないだけで残りは全く一緒です。)
探し方は、大体の場合、旅人かホステルで宿泊費と引き換えに掃除などをしているスタッフがよく知っています。旅人が集まって一緒に飲める場所はある?と聞いてみましょう。
それでも見つからない場合旅人が集まるおみやげ屋さんや観光地の近くで聞いてみるのもいいかもしれません。
大体は観光地の一番人通りが多い通りにあるか、その路地裏にあることが多いです。
ヒッチハイクをしてみる/ヒッチハイクを乗せてみる
こちらは治安の良い国や場所限定です。
ヒッチハイクのメリットは車が無くても移動ができること、交通費を節約できること、そして乗っている間は相手が旅仲間になること。
旅人の中でもヒッチハイクは一般的で、乗せてくれる人も旅人、元旅人、旅人に興味がある人であることがほとんどです。
移動の間にも、地元人に乗せてもらえば地元のおすすめを聞けたり、旅人同士の場合はホステルと同じく旅の情報交換ができます。
また、ホステルの集会と違い人数が少ないので、個人的な話なんかも結構盛り上がったりします。
また、ヒッチハイクを乗せてみるのも、乗せてもらうのと同じくらいおもしろいです。
なんでヒッチハイクをしているのか、どんな旅をしてきたのかなど興味深い話題の引き出しを開けてみましょう。
私はヒッチハイクで旅人を乗せてみたらそのまま話が盛り上がっちゃってその後2日一緒に旅をしたこともあります。
ヒッチハイクをする時、乗せてもらうというご厚意をむげにするのは気が引けますが、少しでも疑問に思った場合はお断りした方が賢明です。安全第一です。
(断ってもしつこく乗れと言う人は確実に危ないので逃げてください。普通の乗せる側の心理としては”なんか合わなかったのかな”と思って何事もなかったかのように走り去ります。)
また、ヒッチハイクを乗せる時は、基本的にはオープンですが私は汚い人や下を向いて顔を合わせずにヒッチハイクしている人などを除いています。
トラブルは避けるに越したことはないのです。
現地ツアーや体験教室に行ってみる
旅先でおすすめなのが現地ツアー。
バックパッカーにとってツアーというと団体旅行のイメージで毛嫌いしてる人も多いですが、現地ツアーは違うんです。
多くの現地ツアーは1日で、自力で行くことは難しい場所や効率よく離れた場所を回ることができると同時に、その観光地に興味を持った少人数の旅人たちと移動中や食事などで結構仲良くなれたりします。
ギリギリまで受け付けている&現地でそのまま手配するツアーに申し込む人は、ゆるいスケジュールを持った少人数の旅人がほとんどです。
私は現地ツアーで知り合った旅人と、似たようなルートだったのでその後も近場にいれば何回かあってご飯とかを一緒にシェアしたこともありました。
フレンドリーな旅人が多いのは場所がニッチであればより顕著です。
市内観光ツアーなんて必要ないけど、公共交通機関のない山の上の遺跡はツアーじゃないと難しい。という場合、交通費がシェアできないひとり旅同士が集まった方が早いよねと、現地でツアーを申し込みます。
現地ツアーは、街の旅行会社の窓口で申し込むまたはホステルから申し込むのが一般的です。
大体の場所は数日前までばっちりあいているので、直前でも大丈夫なのもまた魅力です。
また、現地特有の体験クラス(〇〇作り、現地の家庭料理レッスン)などもそのイベントに興味を持った旅人が集まりやすく、ただ話すだけなホステルの集会苦手な人にもぴったりです。
Airbnbの体験コースや、ホステルが紹介しているクラスなどで興味があるものがあればぜひ試してみましょう。
カウチサーフィンや、Facebookの旅人グループを使ってみる
旅人に特化したアプリ、カウチサーフィンは旅人にとって必要なものがたくさん揃っています。
Facebookのバックパッカーグループでは、その国や地域を旅する人が集まってちいさなコミュニティーとなっています。
大きな都市には、これらのアプリで旅人たちが立てたイベントが定期的にあります。
事前に時間や場所が決まっているので流れがつかみやすいことと、参加のハードルの低さが魅力です。
旅人が使うアプリなので、こちらもまた気さくでフレンドリーな人が多いです。
ホステルの集会と違うのは、イベントには地元の人や長期滞在している人も集まるので、旅と地元情報がいい感じに混ざっています。
また、ここに行こう!あれをしよう!といった特定の場所や目的のあるイベントもあるので、遺跡に行きたいけど1人で行くのはなぁ。と思った時などにそのようなイベントを見つけたり自分で投稿して現地集合で一緒に旅することも可能です。
ひとり旅の仲間探しも、ここまで簡単になりました。
旅先であった旅仲間は、物理的な距離があるので一緒に過ごす時間は1度きりかもしれませんが、その後もSNSでゆるくずっと繋がっていたり、再会することもあります。
せっかく旅に出るのであれば、新しい人に会い、一瞬でも一緒に時間を過ごし、挨拶以上の会話をすることで友達の輪は世界中に広がってゆくはずです。
国内旅行でも、海外旅行でも、ぜひ一度は試してみてください*