ニュージーランド、ついにコロナと共存するみたいです。

2020年3月の全国ロックダウンが功を奏し、
今年の8月まで短期的なロックダウンはあったものの基本的にはコロナフリーを実現してきたニュージーランド。

世界中が大変ななか、規制ゼロでの自由をだいぶ楽しませてもらいました。

そんなニュージーランドにも、2021年8月についにデルタ株の市中感染が発覚。
感染者1人が確認され次第、排除に向けて即日全国ロックダウンとなりました。

このロックダウン、まぁ2週間ちょっとで終わるだろう。と呑気に構えていましたが
10月現在、未だ終わっていません。長期戦です。

そして、ロックダウンが終わらないだけではなく、ついにニュージーランドもコロナフリーから共存へと段階的な方向転換が発表されました。

今日は方向転換を行なったあとのニュージーランドの近況です。

目次

ロックダウンを40日行なっても減らなかった感染者

今回のデルタ株は、アーダーン首相も”ゲーム・チェンジャー”と呼んでいます。

ゲーム・チェンジャーとは、今までのルールや経験とはおかまいなしに状況を変えてしまう人やもの、現象を指します。

今回のデルタ株はまさにゲーム・チェンジャー。

今までだったら3週間ほどロックダウンしておけばさくっとゼロになった感染者が…減らない。
隔離しているのに漏れる。州を超えることはできないのに物流などで漏れる。

現在では、この1人から始まった市中感染は1200人を超え、毎日20~40件が確認されています。
(参照元:https://www.health.govt.nz/our-work/diseases-and-conditions/covid-19-novel-coronavirus/covid-19-data-and-statistics/covid-19-source-cases

ゲーム・チェンジャーはニュージーランドの方針をも変えた

ロックダウン中は、収入が落ちたり物理的に働けない人に給付金が支給されます。

それでも営業できないお店や職種の人はそれでも固定費がかかるので
ロックダウンは長引けば長引くほど経済的なダメージが膨大に膨れ上がります。

持ちこたえられなくなるビジネスや、困窮する家庭も増えてきています。

もちろんこの給付金は税金から来ているので、どうやって今後経済を立て直すんだという議論はずっと繰り広げられていました。

そんな中10月に入り、減らない感染者の中発表されたのは

ロックダウンの延長や規制の強化など今までニュージーランド政府がとって来た行動とは違い
”ワクチンと併用しての段階緩和”と、他の欧米諸国と同じ方法に方向転換することの発表でした。

段階緩和は3ステップに分けられ、

屋外でのアクティビティの再開&もうひと世帯(シェアハウス含む)との対面を屋外を条件に許可…と小さく始まり、

公共施設の人数制限つきでの再開許可、屋外で会える人数の緩和とステップを踏み、
カフェや美容院などサービス業の許可と至ります。オフィスやイベントの再開目処はまだありません。

(参照元:https://covid19.govt.nz/alert-levels-and-updates/regional-advice/auckland/

現在はステップ1の、「屋外アクティビティの再開と、屋外で外部のもうひと世帯の人のみ会うこと」が許可されています。

”ワクチンがなかった頃は、ゼロにするしかありませんでした。ただ、今はワクチンという対策があります”
と、公式見解で解説されています。
(ちなみにニュージーランドは病床数の不足がコロナ前から非常に深刻だったため、ゼロにせざるを得ないという理由もコロナフリーの背景にあります)

この大幅な方向転換は、段階的ながらも実質コロナフリーの終了宣言と同時に、世界的にも厳しいロックダウンと鎖国の終了宣言でもあると捉えています。

即日ロックダウンをしたり、ワクチン接種率を1ヶ月で30%あげてきたりするスピード感のあるニュージーランドでは、方向転換したらそちら側に振り切れるのもとっても早いことが予測されるので、結構なスピードで緩和が進むと思われます。

国境を開けるプランは数ヶ月前に発表された2022年初期よりリスクレベル(未定)ごとの段階緩和の予定からのアップデートはありません。

現在では、ワクチンは義務ではありませんが、大規模なイベントやフライトなどはワクチン接種済みでないと利用できないワクチンパスポートの導入が方向転換の発表の翌日に可決されています。
(参照元:https://www.health.govt.nz/our-work/diseases-and-conditions/covid-19-novel-coronavirus/covid-19-vaccines/covid-19-requesting-proof-vaccination

前例のない事例での決断。賛否両論は避けられない

今回の方向転換により、もちろん賛否両論の意見が大噴出しています。
コロナフリー失敗、断念、ハナから無理だったなど言いたい放題の記事も見かけるようになりました。

また、非常に大規模なワクチンのキャンペーンや、ワクチンパスポートの導入などのニュースも受け、反ワクチン派や”ほぼ”義務化の強行姿勢への疑問も日々議論されています。

それと同時に、今までのロックダウンによる経済へのダメージへの疑問、
方向転換における安全と今後の動向、ワクチンを打ってもデルタ株にはかかる可能性がある、12歳以下の子供のリスクは?という感染への疑問

…世界的にはすでにたくさん湧き上がっているこれらの議論・論争がついにニュージーランドにも上陸しました。

コロナフリー時代にもこれらの議論はありましたがそこまで白熱したものではなかった印象ですが、今では反ワクチンのデモや反ロックダウンのデモなども少しずつ始まっています。

成功や失敗の定義も人それぞれ

独裁や公共の福祉の定義も人それぞれ

安全や健康の定義も人それぞれ

これらの議論は、前例も正解もない中で、自分が何を信じるかが如実に浮き彫りになっている印象です。

森の中にある私の自宅アパートでは40人ほどが同じキッチンをシェアしているのですが、議論や意見の強さと多様さには日々感じるものがあります。

これからどう動き、誰がどう思うかは個人レベルで完全に違う世界と見解になりそうです。
解っているのは、全員が同時に納得できる道はないことだけ。

…とにかく、ケンカはしないでね。と願いつつ、
森の中の自宅からそっと今後の動向を見守ってゆきたいと思います。

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